瀬川小児科アレルギー科医院/三島市寿町の小児科・アレルギー科

〒411-0039 静岡県三島市寿町7-31

055-975-1087

第23回食物アレルギー研究会に参加して

第23回食物アレルギー研究会が現地:2023年2月12日(日) WEB開催が2月17日(金)~3月5日(日)にて会長が佐藤 さくら先生(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 食物アレルギー研究室長)にて開かれました。
〇特別プログラムI
「食物アレルギー患者を取り巻く社会」
1.食物アレルギー患者への社会的対応の変遷
海老澤 元宏(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)先生より食物アレルギー・アナフィラキシーの対応の歩みについてそれぞれ話がありました。くるみ、カシュナッツのアレルギーが増加してきているとの報告がありました。
2.加工食品のアレルギー表示の動向
宇野 真麻(消費者庁食品表示企画)先生より食品表示法に基づく食品表示基準を改正し、表示を義務づけるアレルギー表示の対象にクルミを追加し7項目が8項目になるとの話がありました。クルミはこれまで、表示が「推奨」されている21品目の一つでした。
3.中食・外食に関する動向
今井 孝成(昭和大学医学部小児科学講座)先生より話があり、外食・中食には食物アレルギーのルールがないので注意が必要で、重症度に応じたリスクの違いを意識した利用と、事故の備えが必要とのことでした。
4.食物アレルギー児への理解を促す活動:服部 佳苗(NPO法人ピアサポートF.A.cafe)先生より話がありました。
〇特別プログラムII
「食物アレルギーにおけるunmet needs」
1.木の実類アレルギー
佐藤 さくら(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)先生の話がありました。ナッツアレルギーの初発は3.5歳と鶏卵などに比べると年齢が高く、クルミ、カシュナッツのアナフィラキシー率が高く、重症化率が高い報告がありました。クルミアレルギーの75%がペカンアレルギーが有り、カシュナッツアレルギーの83%がピスタチオアレルギーがあり注意が必要です。
2.甲殻類・魚類アレルギー
近藤 康人(藤田医科大学ばんたね病院小児科)先生より話がありました。
3.難治性食物アレルギーへの対応
長尾 みづほ(国立病院機構三重病院臨床研究部)先生より話がありました。
4.経口免疫療法のゴールはどこか?
経口免疫療法は、治癒するというところで限界があり、一般臨床では、推奨されていません。
非常に勉強になりました。今後の臨床に活かしたいと思います。