瀬川小児科アレルギー科医院/三島市寿町の小児科・アレルギー科

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第17回相模原臨床アレルギーセミナーに参加して

令和5年8月1日(月)から8月31日(水)に第17回相模原臨床アレルギーセミナーがweb開催一部LIVE配信で開かれました。

①成人臨床アレルギー学②アレルゲン、アレルギー検査、免疫療法/アレルゲン免疫療法③小児臨床アレルギー学の3部門の構成となっています。
今年は、すべての講座の知識を確かめるために講座毎に確認試験が組み込まれているのが特徴でした。

①成人アレルギー学では、埼玉医科大学呼吸器内科の永田真先生の総合アレルギー診療における「喘息治療の方向性」では、自然経過を変える可能性のある、ダニ免疫療法の必要性、重症喘息管理の方向性では、最近のトピックである分子標的治療薬の必要性を述べています。成人食物アレルギーは昭和大学皮膚科学教室の猪俣直子先生の講演で、成人食物アレルギーで重要なのは、小麦、甲殻類による食物依存性運動誘発性アナフィラキシーと花粉―食物アレルギー症候群の花粉症からの果物、生野菜、豆類による口腔咽頭症状の口腔アレルギー症候群の二つが代表と述べています。

②アレルゲン、アレルギー検査、免疫療法では国立成育医療センターの松本健治先生よりアレルギー性炎症の機序の話がありました。ウイルス感染では、上皮細胞からウイルスが侵入してくるのですが、その時に働くのがⅡ型リンパ球を中心にした自然免疫です。重要な働きをしている上皮細胞由来サイトカインの機能の話がありました。

③小児臨床アレルギー学では、食物負荷試験のリスク評価の話がありました。安全に負荷試験を行うには大切な話です。負荷試験では、総負荷量の選択、接種間隔は30分以上、未摂取の負荷試験では、少量からの段階的負荷試験を施行、カシューナッツの負荷試験は閾値が低いので注意が必要なことを述べています。

今年もweb開催でしたが、講演ごとに確認の負荷試験があり、勉強になりました。